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2025.03.07

コンペで求められるコト 美術館で感じたコト

コンペで求められるコト 美術館で感じたコト

久しぶりの更新です! 昨年の7月以来の更新となってしまいました。昨年の夏以降は新規案件やコンペ案件が多く、個人的にさまざまな経験をさせていただいて、あっという間に下半期が過ぎてしまいました。

 

ブログを更新できなかった言い訳はここまでにして、弊社ではさまざまなクライアントから代理店を通してコンペに参加させていただくことが多々あります。

 

コンペでは、まずクライアントを知ることから始まります。リサーチを重ねることで、デザインの方向性が徐々に固まっていきます。実際の作業では、複数のデザイナーが関わることも多く、それぞれの個性がデザインのバリエーションを生み出します。多様なアイデアが出ることでクライアントにとっても、より良い選択がしやすくなります。同じようなデザインにならないよう、デザイナー同士でコミュニケーションを取りながら進めて、互いに刺激を受けながらチームでより良いデザインを作り上げていきます。

 

時にはデザイナー自らキャッチコピーを考えることもあり、作業内容は多岐に渡ります。コンペではプレッシャーの中、さまざまな作業をしなければなりません。

 

コンペでは、最終的にデザインのコンセプトをクライアントに提出する必要があります。作成したデザインを言語化し、明確な意図を伝えることで、クライアントは直感的な判断だけでなく、論理的な裏付けを持って評価できるようになります。

 

もちろん、案件を受注できることが最も望ましい結果だと思います。しかしコンペの過程で得られる経験は、他の業務では得難い貴重なものです。コンペの結果を振り返り、良かった点・改善すべき点を整理し、次に生かすことが大切で、こうした積み重ねがデザイナーとしての成長につながっていくのだと感じています。

 

話は変わりますが、今年3月31日で休館を迎えるDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)に先日訪れました。館内を巡っていると、作品の解説がほとんどないことに気づきました。「美術館側が作品の説明をしてしまうと、観る側の解釈を制約してしまうから」という考えがあるそうです。確かに、アートの醍醐味の一つは「観る人によって解釈が異なること」。同じ作品を見ても感じ方や捉え方は人それぞれで、自由な発想で向き合えるのがアートの魅力なのでしょう。

 

一方で、私が関わるデザインの世界は少し違います。特にコンペなどでは、デザインに明確な意図が求められます。誰が見ても一貫したメッセージが伝わることが重要で、クライアントやターゲットに適切に響くように設計しなければなりません。

 

「自由な解釈を楽しむアート」と「意図を伝えるデザイン」。どちらも「視覚を通じて何かを伝える」という点では共通していますが、根本的なスタンスが違うことを改めて実感しました。美術館での体験が、デザインに向き合う自分の考えを振り返るきっかけになったのはとても興味深かったです。

 

3月いっぱいで休館してしまいますが、ぜひDIC川村記念美術館に足を運んでみてほしいと思います!

 

弊社では時代が求めているものをしっかり把握して、お客様のニーズに寄り添ったデザインを制作しています。興味をお持ちいただけましたらお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いたヒト

IKE☆CHI

IKE☆CHI

2014年中途入社。横浜出身のグラフィックデザイナー。

趣味は古着屋巡りとサッカー。休日はヴィンテージとボールを追い求め、大好きなカレーとビールでリフレッシュするのが定番コース。大好きなことをいつか仕事で恩返ししたいなぁと思う今日この頃。